看護師の注射は医療行為?

看護師の仕事といえば注射をしているイメージがありますが、全ての注射は本来医師が行うべき医療行為です。看護業務の法的位置づけや責任は保健師助産師看護師法の第5条に看護師は「傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定義されています。

また第37条に医師の指示があった場合を除き、医療行為は禁止すると定められています。つまり医療行為は本来医師が行うべきものであって、看護師が医療行為を行う場合は医師の指示を要しその実施の範囲は診療の補助の範疇に入るものと定められているのです。

そのため以前は静脈内注射も皮下筋肉内注射も全ての注射は医療行為で、本来医師が行うべき厚生労働省では解釈していました。ところが2002年に少子高齢化の進展・医療技術の進歩・国民の意識の変化・在宅医療の普及・看護教育水準の向上などに対応した新たな看護のあり方について検討を行うことを目的として、「新たな看護のあり方に関する検討会」を設置しました。

厚生労働省で5回の検討会をおこない同年9月6日に「中間まとめ」を公表し、厚生労働省医政局長通知が各都道府県知事宛てに送られました。これによると看護師による静脈注射の実施は、「業務の範囲を越えるもの」から「診療の補助行為の範疇として取り扱うもの」と行政解釈が変更されました。

変更された行政解釈の意味ですが静脈注射が「診療の補助行為の範疇」とされたことは、看護師が静脈注射を行っても違法ではないという意味です。看護師が静脈注射を行うことは手技的に可能かというような単純な問題ではなく、法的責任の理解と自覚・薬理作用の十分な理解・患者の反応の観察と対応・緊急時の対応体制・感染対策・安全対策など患者に対する安全を保証するために、基礎教育や臨床それぞれの場における体制整備が必要となります。

そのため静脈注射を実施するか否かは、最終的には専門職としての看護師の判断によるものです。ただしこの時に行政解釈が変更されましたが、静脈注射は看護師が行わなければならないという意味ではありません。さらに看護師が静脈注射を行う場合には、実施者としての責任が問われることになります。

また同年に介護保険法が施行され医師が継続して点滴が必要と認め、患家での点滴指示を訪問看護師に通知して行わせる点滴行為を認めました。しかし皮下筋肉注射は未だ医師のみに許されている医療行為だと、厚生労働省では認識しています。

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